2020年に入って、日本各地で地震が頻発しているので、大きな地震が来るのではと心配になっている人が多いかと思います。
地震の揺れには、「前震・本震・余震」というものがあって、それぞれに特徴があります。
6月25日の早朝に、千葉県東部で発生した震度5の地震は、東日本大震災の余震とも言われています。
そこで、熊本地震や東日本大震災などを例に取り「前震・本震・余震」それぞれの違いや前震~本震までの時間や、地震への日頃からの備えについて改めて整理してみました。
前震・本震・余震とは
そもそも、単発で余震などを伴わないようなものは、単なる地震として考えられますが、ある程度の規模を持って地震が頻発する場合には「前震・本震・余震」と区別されるようになります。
「前震」というのは、その名の通り「本震」の前に来るものですが、発生した地震そのものが「前震」であると宣言できるのは、その後に更に大きな規模の「本震」が発生してから、「前震」だったと訂正される場合がほとんどです。
また、規模の大きい地震では「本震」後にも大きめな地震を伴います。
それを「余震」と言います。
余震は、本震が起きてから、短い周期で発生したり、何年もあとに発生する場合もあります。
2020年6月25日早朝に発生した千葉県東部での震度5の地震は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の9年以上たった時点での余震と見られるという見解も出ています。
震度5以上の地震が何度も発生した熊本地震の例
2016年4月14日に熊本地方で発生したマグニチュード6.5の地震は、当初は「本震」として扱われました。
ところが、2日後の16日にマグニチュード7.3の地震が発生したために、14日の地震は「前震」だったと訂正されています。
熊本地震では、地震発生の4月14日から7月14日までの3ヶ月間に、震度1以上の「余震」が1888回も発生しています。
熊本地震の時の前震・本震・余震は?
熊本地震の時の前震・本震・余震について説明します。
- 前震
- 本震
- 余震
順に説明していきますので、気になるところからお読みください。
前震
内閣府防災情報のページによると
- 発生日:2016年4月14日
- 発生時刻:21時26分
- 持続時間:約8秒
- 震源:熊本県熊本地方(北緯32度44.5分 東経130度48.5分)
- 震源の深さ:11km
- 規模:マグニチュード6.5
- 最大震度:震度7
当時、震度5弱以上とされたのは
- 震度7:熊本県益城町宮園
- 6弱:熊本県玉名市天水町・西原村小森・嘉島町上島・宇城市松橋町・宇城市不知火町・宇城市小川町・宇城市豊野町・熊本東区佐土原・熊本西区春日・熊本南区城南町・熊本南区富合町
- 5強:熊本県玉名市横島町・菊池市旭志・宇土市浦田町・大津町大津・菊陽町久保田・御船町御船・熊本美里町永富・熊本美里町馬場・山都町下馬尾・氷川町島地・合志市竹迫・熊本中央区大江・熊本北区植木町
- 5弱:熊本県熊本高森町高森・阿蘇市内牧・南阿蘇村吉田・南阿蘇村河陽・八代市平山新町・八代市松江城町・八代市千丁町・八代市鏡町・菊池市泗水町・長洲町長洲・大津町引水・甲佐町豊内・氷川町宮原・合志市御代志・和水町江田・上天草市大矢野町・上天草市松島町・天草市五和町
となっています。
本震
前震と2日後の16日に発生した本震では、ともに震度7以上が発生したのは、観測史上初と言われています。
- 発生日:2016年4月16日
- 発生時刻:1時25分
- 持続時間:約20秒
- 震源:前震よりも西北西に4.5kmの位置(北緯32度45.2分 東経130度45.7分)
- 震源の深さ:12km
- 規模:マグニチュード7.3
- 最大震度:震度7
当時、震度5弱以上とされたのは
- 震度7:熊本県西原村小森・益城町宮園
- 6強:熊本県南阿蘇村河陽・菊池市旭志・宇土市浦田町・大津町大津・嘉島町上島・宇城市松橋町・宇城市小川町・宇城市豊野町・合志市竹迫・熊本中央区大江・熊本東区佐土原・熊本西区春日
- 6弱:熊本県阿蘇市一の宮町・阿蘇市内牧・南阿蘇村中松・南阿蘇村河陰・八代市鏡町・玉名市横島町・玉名市天水町・菊池市隈府・菊池市泗水町・大津町引水・菊陽町久保田・御船町御船・熊本美里町永富・熊本美里町馬場・宇城市不知火町・山都町下馬尾・氷川町島地・合志市御代志・和水町江田・熊本南区城南町・熊本南区富合町・熊本北区植木町・上天草市大矢野町・天草市五和町
- 5強:福岡県久留米市津福本町・柳川市三橋町・大川市酒見・みやま市高田町
- 5弱:愛媛県八幡浜市保内町
となっています。
本震では、震度7の地域が増えた上に、震度5弱の範囲が隣県の愛媛県へも波及しているのがわかります。
余震
熊本地震では、震度7以上が2回も発生したということ以外にも、震度6弱以上の地震が7回と、こちらも観測史上初と言われています。
熊本地震の余震は、地震発生から3ヶ月の間に、1888回も震度1以上を観測しました。
また、地震発生から2ヶ月後の6月12日にも、震度5弱の大きな余震が発生していました。
地震が来たら本震の警戒が必要
大規模な地震が発生した場合には、地震発生直後にその地震が「前震」なのか「本震」7日は判断できません。
ということは「前震」であった場合にはその後に更に大きな「本震」が来るということになります。
つまり、今起きた地震を「本震」と捉えて行動していると、本当の「本震」が来た時に大変なことになると言えます。
もちろん、最初に起きた地震が「本震」であったとしても、「余震」が必ず来るものと考えておくべきです。

結論から言えば
大きな規模の地震が来た場合には、その次に更に規模の大きい「本震」もしくは、同程度の規模の「余震」がかならず来るとして、警戒を怠らないということです。
東日本大震災では首都圏へも被害が
東日本大震災のときは、首都圏でもかなり揺れましたが壊滅的な被害は起きていません。
それでも、公共交通機関は停止して、帰宅難民が発生しています。
携帯も、一時繋がりにくくなりました。
また、被災地域に製油所があるために、首都圏ではガソリンの供給不足が発生して、給油のために長時間並ぶということも起きました。
東京電力では、原子力発電所が稼働停止したのと夏場であったことで、電力不足に陥り計画停電も実施されました。
地震への備え
日頃からの地震への備えについて説明します。
- 家具の固定や配置のチェック
- 非常用持ち出し袋の備え
- 食料・飲料などを備蓄しておく
- 災害マップ・ハザードマップ
順に説明していくので、気になるところからお読みください。
家具の固定や配置のチェック
家庭内で地震発生時に危険なのは、家具などの転倒による事故ですね。
その予防策としては
- 転倒防止金具などで固定し、倒れにくくする 。
- 本棚や茶ダンスなどは、重いものを下に収納し、重心を低くする。
- 棚やタンスなどの高いところに危険なものを置かない 。
- 食器棚に収納されているガラス製品が転倒しないようにする。
などの対策を日頃から心がけると良いでしょう。
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非常用持ち出し袋の備え
日頃から、避難する時にすぐに持ち出せるように、必需品をまとめておくのが良いでしょう。
主に必要なものとしては、飲料水・非常食・懐中電灯・ラジオ・貴重品・救急袋・着替えなどが考えられます。
これら以外に、地震発生時にはATMなど利用できない可能性もあるので、常に現金の用意も必要でしょう。

これらを、日頃からリュックなどにまとめて、非常用持ち出し袋としておくと良いでしょう。
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食料・飲料などを備蓄しておく
新型コロナウイルスが流行している今の時期は、どこのご家庭でも食料の備蓄はあると思いますが、これらの備蓄食料を地震対策として更に見直しておくと良いでしょう。
食料品を選ぶ際に気を付ける点として、「賞味期限が長いもの」「運ぶ際に重くないもの」「少量でもバランス良く栄養補給できるもの」を目安に考えると良いでしょう。

地震発生時には、停電になることは予想付くので冷凍食品以外で考えておくのが良いでしょうね。
目安としては
- 最低でもひとり3日分程度を賄える食料。
- 断水などに備えて1人1日3Lを目安の飲料。
ですね。
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災害マップ・ハザードマップ
今では各自治体で災害マップ(ハザードマップ)という、自然災害が予測される区域や避難場所や避難経路など住民が自主的に避難するために必要な防災情報を分かりやすく地図上に示したものが配布されています。

このハザードマップをもとに、居住地域での被災状況を想定して避難経路を確認しておくことも必要でしょう。
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まとめ
日本各地で地震が頻発しているので、「前震・本震・余震」それぞれの違いや前震~本震までの時間や、地震への日頃からの備えについて改めて整理しました。
- 発生した地震の後に更に大きな地震が発生した場合には、最初に起きた地震を「前震」として、次に起きた地震を「本震」とします。
- 最初に起きた地震または本震後に起きる、同程度以下の地震を余震と言います。
- 余震は、かなり頻繁に発生します。
- 地震が起きたら、その後に「本震」もしくは「余震」が来るもと考えて行動すべき。
- 地震が起きたときに備えて、日頃から備えをしておくべき。
そもそも、地震のあとに余震が来るというのは知っていましたが、「本震」と思っていたものが「前震」というものになることがあるとは、知らなかった人もいると思います。
これから起こると言われている「スーパー南海トラフ」地震級であれば、「前震・本震・余震」はセットで起きる可能性が高いと思われます。


日頃からの備えで乗り切りましょう。