渋沢栄一「論語と算盤」の要約と感想

渋沢栄一青天を衝け
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大河ドラマ「青天を衝け」で主役として扱われて話題になっている渋沢栄一さん。

渋沢栄一さんには、「日本資本主義の父」と呼ばれるように日本の経済界で活躍したことが知られています。

渋沢栄一さんには著書も多いのですが、その中でも「論語と算盤」という本が代表作と言われています。

そこで、「論語と算盤」の要約と感想をまとめてみました。

渋沢栄一「論語と算盤」の要約

渋沢栄一さんの著書の「論語と算盤」は、現在風に言い換えると「道徳と経済」と置き換えられると思います。

「論語と算盤」で渋沢栄一さんが伝えようとしているのは

  • 「道理を持って、正しい道を踏んで経済活動せよ。」
  • 「論語と算盤(道徳と経済)の調和が大事なのだ。」

の2つと言われています。

この渋沢栄一さんの「まっとうにお金を稼ぐ」という考え方は、渋沢栄一さんの原点でも有り現代社会に追いても不変の倫理ということのようです。

だからこそ、現在に追いても読者がいるわけです。

渋沢栄一さんの思い描いてきた、日本における資本主義の原点を知った上で今の仕事や商売を見直してみるのは決して無駄にはならないでしょう。

「論語と算盤」の中で渋沢栄一さんが述べていることを要約すると

  • 国家社会を構成するのは人である
  • 金持ちがいるから、貧しい人々が生まれてしまう
  • お金はよく集めて、よく使おう
  • 自分を磨くべし

となります。

順に説明していきますね。

国家社会を構成するのは人である

渋沢栄一さんは経済が回る基本は国家社会の正しい成立が必要と説いています。

人はただ一人では何もできない存在だ。

国家社会の助けがあって、初めて自分でも利益が上げられ、安全に生きていくことができる。

もし国家社会がなかったなら、誰も満足にこの世の中で生きていくことは不可能だろう。

これを思えば、富を手にすればするほど、社会から助けてもらっていることになる。

その国の枠組みばかりが整備されても、それを使いこなす人の知識や能力が伴っていなければ、本当の文明国とは言えないのだ。

本当の「文明」とは、すべての枠組みがきちんと備わり、そのうえで一般国民の人格と知恵、能力が揃うことで、初めていえることなのだ。

金持ちがいるから、貧しい人々が生まれてしまう

渋沢栄一さんは、個人と国家の関係をしっかりと見直すべきと説いています。

「金持ちがいるから、貧しい人々が生まれてしまうのだ」

などといった考え方で、世の中の人がみな、社会からお金持ちを追い出そうとしたら、どうやって国に豊かさや力強さをもたらせばよいのだろう。

個人の豊かさとは、すなわち国家の豊かさだ。個人が豊かになりたいと思わないで、どうして国が豊かになっていくだろう。

国家を豊かにし、自分も地位や名誉を手に入れたいと思うから、人々や日夜努力するのだ。

その結果として貧富の格差が生まれるのなら、それは自然の成り行きであって、人間社会の逃れられない宿命と考え、あきらめるより外にない。

(中略)

と、流されるように放置してしまえば、ついには取り返しのつかない事態を引き起こしてしまうのも自然の結果なのだ。

だから、わざわいを小さいうちに防ぐ手段として、ぜひとも「思いやりの道」を盛り上げていくよう切望する。

お金はよく集めて、よく使おう

渋沢栄一さんは、お金を流通させることで経済を回すと説いています。

お金は社会の力をあらわすための大切な道具でもある。

お金を大切にするのはもちろん正しいことだが、必要な場合にうまく使っていくのも、それに劣らずよいことなのだ。

よく集めて、よく使い、社会を活発にして、経済活動の成長をうながすことを、心ある人はぜひとも心がけて欲しい。

お金の本質を本当に知っている人なら、よく集める一方で、よく使っていくべきなのだ。

よく使うとは、正しく支出することであって、よい事柄に使っていくことを意味する。

(中略)

お金とは大切にすべきものであり、同時に軽蔑すべきものでもある。ではどうすれば大切にすべきものとなるのか。

それを決めるのはすべて所有者の人格によるのである。

自分を磨くべし

渋沢栄一さんは、自分磨きや人間学を学ぶことの重要さを説いています。

「大学」という古典にある、

「格物良知 ー モノの本質を掴んで理解する」

という教えや、王陽明という思想家の説いた、

「致良知 ー 心の素の正しさを発揮する」

といった考え方は、すべて自分を磨くことを意味している。自分磨きは、土人形を造るのとはわけが違う。自分の心を正しくして、魂の輝きを放つことなのだ。

自分を磨けば磨くほど、その人は何かを判断するさいに善悪がはっきり分かるようになる。

だから、選択肢に迷うことなく、ごく自然に決断できるようになるのである。

「論語と算盤」には、原著や現在風に言い換えたものや、漫画風にわかりやすくしたものが存在します。

読みやすいと思ったものを手に入れると良いと思います。

渋沢栄一「論語と算盤」の感想

渋沢栄一さんの著書「論語と算盤」の感想を拾ってみました。

渋沢栄一さんの「論語と算盤」は現代社会に追いても、受け入れやすく読まれているようですね。

渋沢栄一「論語と算盤」のまとめ

渋沢栄一「論語と算盤」の要約と感想をまとめました。

日本が、世界に通じる国家として成熟している時に書かれた、渋沢栄一さんの「論語と算盤」がそのまま現在でも通じるというところが凄いですね。

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